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レッドウィング アイリッシュセッターのタグの変遷 (875、8875オロラセット編)

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レッドウィングの875の歴代のタグの変遷。

875は96年で、オロイジナルの875とオロラセットの8875に品番が分かれた。
オロラセットの系列として、875オロイジナルではなく、8875への流れが自然であると考え、オロラセットのアイリッシュセッターの流れのタグの変遷である。

ハンタータグ①.JPG
           ハンタータグ
 1940~50年代前半まで使用されていたタグであり、アイリッシュセッター誕生の前身のタグである。創設が1905年と刺繍がすでに入る。
 ハンティングをしている人の刺繍と、太陽が描かれている。ハンティングは夕暮れには行わないと推測するため、この太陽は朝日を描いているものかと思われる。なお、タグに描かれている人物のブーツがロング丈であることから、ハンタータグのついたモデルはハイトが高いものが多い。なお、このタグでの875という品番はおそらく存在しないだろう。重要な役割を果たすタグだけに今回掲載した。

刺繍犬タグ ②..JPG
刺繍犬タグ
 1950年代中盤から1960年代前半の875に付けられる。875の最初のタグであり、アイリッシュセッターという表記が初めて使われるタグの中で、最古のタグでもある。アイリッシュセッター誕生が1954年との説が有力だが、セッター50周年モデルが96年頃に発売されていることを考えると、時代背景のつじつまが合わない。刺繍犬は2種類存在するが、875ではこちらのタグを使用している。今回9875の発売はこのタグをモチーフにしているのは間違いない。

生産国表記無犬タグ③.JPG
生産国表記無犬タグ
 1960年代から70年代前半までのタグ。刺繍からプリントへと変わる。MADE IN ○○の表記は入らない。

AMERICAタグ④.JPG
AMERICAタグ
 1970年代前半から80年まで使われるタグ。80年頃ではなく、80年までである。BOOTの下にMADE IN AMERICAと記載が入る。何故、U.S.Aと表記せずにAMERICAにしたのだろうか?古着ではこの年代はUSAと入るのに対し、レッドウィングのみAMERICAである。

旧犬タグ⑤.JPG
旧犬タグ
1981年~90年前半までに使用されたタグである。MADE IN AMERICAからUSAと文字が変わる。875に関して、スクエアステッチは85年まで入るが、86年には入らない。

初期半円犬タグ⑥..JPG
初期半円犬タグ
 1990年~1991年前半と、2年にまたがり、実質一年ちょっとしか存在しないタグ。デザインが大きく変更され、タグは半円になる。この色味になったのは、旧犬タグなど以前のタグのイメージを変えすぎないように、同じ色を使用したからであろう。犬の右に初めてレジスターマークが入る。この名前と形状が商標登録された印になる。

裏半円犬タグ⑦.JPG
裏半円犬タグ
1991年の製造になる。わずか一年の生産になる。初期半円の色味とは異なり、黄色ベースの色味になる。

旧半円犬タグ⑧.JPG
旧半円犬タグ
 1992年から93年前半までの製造となる。タグが裏から表へと付けられる。おそらく見栄えがよかったというのと、875自体、これまでソールにはレッドウィングのマークは入るが、アッパーにレッドウィングの表記はどこにもない。あえて外側につけ、レッドウィングのアイリッシュセッターブランドを押し出したかったのかも知れない。オロラセットにこのタグはよく映える。

半円犬タグ⑨.JPG
半円犬タグ
1993年中盤~1996年前半まで使用されていたタグである。日本での発売も数が増え、とても人気が高かった時代である。この後の年になるが、この半円タグの偽物が非常に多く出回った。

表犬タグ⑩.JPG
表犬タグ
 1996年中盤に採用された。このタグに切り替わる際、このオロラセットの6インチ丈のアイリッシュセッターは875から8875に変わる。同時にオロイジナルの6インチ丈アイリッシュセッターが新たに誕生し、875の品番を使用する。オロラセットの875の分岐点である。
 この表犬タグは、工場のミスにより、本来タグが裏に使用されるはずだったが、間違って表につけられてしまったとの説がある。○○足限定などの噂もあるが定かでない。実際に履き込むとタグが白いため、汚れが目立つ。
 MADE IN USAの文字はかつての犬タグのように右下に入るのではなく、タグの右上に入る。
この復活した犬タグのモチーフはおそらく旧犬タグではなく、半円犬か、刺繍犬であろう。犬のしっぽが太い。

犬タグ⑪.JPG
犬タグ
 1997年~1999年前半まで使用される。表犬タグと同じ素材、同デザインであるが、ベロの表に付けられていたタグが裏に付く。日本で一番売れた時代であろう。また、このタグがアイリッシュセッターの最後になる。
 レッドウィング8875品番は、継承されるが、アイリッシュセッターではなく、クラシックワークに分類される。こうして一度875のアイリッシュセッターは幕を閉じる。
 日本ではアイリッシュセッターの知名度が高く、現在でもクラシックワークがアイリッシュセッターと呼ばれているのが普通である。
 ↓
羽タグ⑫.JPG
羽タグ
 1999年中盤~03年前半に使われているタグ。小さなタグである。このタグまではタグの縫いつけが真ん中からぐるっと一周する縫われ方である。この時代はすでにクラシックワークである。

現行タグ⑬.JPG   現行タグ
 03年中盤から、この形になり、タグが両足に付けられる。こちらはCM表記のある最近のタグ。この形になった直後は、CM表記は入らない。日本向けの意識が高くなりCM表記が入ったのかもしれない。

※注意書きとして、あくまで弊社で確認がとれているタグの変遷である。ないものをないというのは難しく、ひょっとするとこの他にもタグがあるかもしれない。
また、このタグの変遷は875、8875にしか当てはまらない。8167や8166、8179は同じ年代でもタグが前後することがあるからである。


※以下PDFが綺麗に見えます。


 

あくまで、タグは面白さであり、ブーツを楽しむ1つのきっかけである。
自分のブーツを細かく知ると、さらに愛着がわき、大事にする意識も変わるかもしれない。
レッドウィングは、職人技が造りだすタフなブーツである。
だからこそ長く大事にしてほしい。






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